金ETFはどれを買う?GLD・1326・1540・1328を実データ比較【2026年】
金は2026年、めまぐるしい1年になっています。1月に史上最高値をつけたあと7月には4分の1が吹き飛び、いままた戻してきました。
「そろそろ金を持っておきたい」と考えたとき、次に出てくるのがどの金ETFを買うかという問題です。米国のGLDか、東証の1326・1540・1328か。中身はどれも同じ金なのに、選び方で結果は変わります。
この記事では実際の値動きのデータを並べたうえで、見落とされがちなNISAの落とし穴まで整理します。
2026年の金は、1月に最高値をつけて7月に25%下げた
まず今年の値動きを押さえておきます。ドル建て(1トロイオンス)の推移です。
| 時点 | ドル建て金価格 |
|---|---|
| 2026年1月29日(年初来高値) | 5,318ドル |
| 2026年7月16日(年初来安値) | 3,986ドル |
| 2026年8月16日 | 4,450ドル |
高値から安値までマイナス25.1%。「安全資産」と呼ばれる金でも、半年でこれだけ動きます。株より値動きが小さいわけではない、というのは最初に知っておいたほうがいい点です。
一方で、期間を広げると景色が変わります。1年前は3,343ドル、5年前は1,781ドルでした。1年でプラス33.1%、5年でプラス149.9%。今年の急落を含めてなお、この水準です。
円で見ると、その下げは20%で済んでいた
ここからが、日本で金を買う人にとって大事な話です。
金はドルで値段がつく資産です。だから円で持つと、金の値段とドル円の両方が効きます。同じ期間を円換算すると、こうなります。
| 期間 | ドル建て | 円建て |
|---|---|---|
| 1月高値 → 7月安値 | -25.1% | -20.7% |
| 直近1年 | +33.1% | +43.6% |
| 直近5年 | +149.9% | +262.9% |
下げるときは円安がクッションになって25%の下落が20%で済み、上げるときは円安が上乗せされて150%が263%になった。この5年、円安は日本の金投資家にとって追い風でした。
ただし、追い風はいつまでも吹きません。直近1カ月だけを切り出すと、すでに逆回転が始まっています。
GLDと1326は、実はまったく同じファンドです。それでも1カ月の数字が3ポイント違うのは、片方をドルで、片方を円で見ているからにすぎません。円高が進めば、円で見た金は目減りします。
この「ドル建て資産を円で持つ」問題は金にかぎった話ではありません。米国株ETFでも同じことが起きていて、そちらは為替ヘッジあり・なしの比較で詳しく書きました。

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GLD・1326・1540・1328、中身は同じでも「器」が違う
日本から買える主な金ETFを並べます。どれも金の値段に連動しますが、器の作りが違います。
| 銘柄 | 市場 | 経費率 | 直近1年 |
|---|---|---|---|
| GLDM | 米国 | 0.10% | +35.09% |
| IAU | 米国 | 0.25% | +34.85% |
| GLD | 米国 | 0.40% | +34.67% |
| 1328 | 東証 | 0.176% | +43.69% |
| 1326 | 東証 | GLDと同じ | +44.96% |
| 1540 | 東証 | 0.44% | +45.00% |
まず注意したいのは、米国の「+35%」と東証の「+45%」を並べて比べてはいけないということです。前者はドルで測った数字、後者は円で測った数字で、10ポイントの差は運用の巧拙ではなく、ただの為替です。
器の違いを3つだけ
①1326はGLDそのもの。米国のGLDを東証にも上場させたもので、中身も運用会社も同じです。違いは円のまま日本時間に売買できること。コストもGLDと同じ水準です。
②1540は金を国内で保管する。一定量まで貯めると現物の金地金と交換できる仕組みがあり、「最後は現物で持ちたい」という人向けです。そのぶん経費率は0.44%と、この中で最も高くなっています。
③1328は金の先物に連動するタイプ。現物を保管するのではなく先物で価格に連動させる作りで、東証の金ETFの中では経費率0.176%と際立って安いのが特徴です。
NISA成長投資枠で買えるのは1328だけ
ここが一番の落とし穴です。東証の金ETFのうち、NISAの成長投資枠で買えるのは1328だけで、1326・1540・1672はいずれも対象外です。
投資信託協会が公表している成長投資枠の対象商品リスト(上場ファンド)を確認すると、1328は掲載されていますが、1326・1540・1672は載っていません。
理由は器の作りにあります。1326・1540・1672は受益証券発行信託という形式で、制度上そもそもNISAの対象になりません。一方1328は投資信託の形をとっているため対象になります。中身が金かどうかではなく、法律上の器で決まるわけです。
この点はインターネット上の情報でも取り違えが多い部分です。買う前に必ず対象リストか証券会社の画面で確認してください。「NISAのつもりで買ったら課税口座だった」は、あとから取り返せません。
なお米国上場のGLD・GLDM・IAUについては、成長投資枠で買えるかどうかは証券会社ごとに取扱銘柄が決まっています。こちらも各社の対象一覧で確認するのが確実です。
コストは0.10%から0.44%、4倍以上の開き
金ETFは分配金がありません。株のETFのように配当で差が埋まることがないので、コストの差がそのままリターンの差になります。
最も安いGLDMが0.10%、最も高い1540が0.44%。その差は0.34ポイントで、率にすると4倍以上です。100万円を10年持てば、単純計算で3万円強の違いが出ます。
GLDが0.40%と高めなのは、2004年に生まれた最古参で規模が大きく、機関投資家の売買が集まっているためです。同じ運用会社が個人向けに用意した廉価版がGLDMで、中身はほぼ同じで0.10%。長期で持つなら、あえてGLDを選ぶ理由は多くありません。
結論:3つのパターンで選ぶ
NISAで非課税にしたいなら1328
選択肢は事実上これしかありません。経費率0.176%は東証の金ETFの中で最安ですし、円のまま1口から買えます。金の値上がり益に約20%の税金がかからないメリットは、コンマ以下の経費率の差より大きくなります。
課税口座で長く持つならGLDM
経費率0.10%は他の追随を許しません。ドルで買う手間はありますが、10年20年と持つつもりなら、この差は効いてきます。すでにドルを持っている人にも向いています。
現物で持ちたい・円のまま完結させたいなら1540
経費率は高めですが、国内保管で最後は金地金と交換できるという安心感は、ほかにない特徴です。「有事の備え」として金を持つ人が求めているものに、いちばん近い形といえます。
よくある質問
Q. いま買うのは高値づかみになりませんか?
1月の5,318ドルから見れば16%ほど下の水準ですが、1年前の3,343ドルから見れば33%上です。「高いか安いか」は基準の置き方で変わります。金は配当を生まないので、割高・割安を測るものさし自体がありません。だからこそ、一度に買うより時期を分けて積み上げるほうが、判断ミスの影響を小さくできます。
Q. 金は資産の何%くらい持つものですか?
一般には5~10%程度が目安とされます。金は利息も配当も生まない資産なので、多く持つほど資産全体の期待リターンは下がります。株が下げたときの支えとして少し持つ、という位置づけが基本です。
Q. 為替ヘッジ付きの金ETFはありますか?
東証には為替ヘッジ付きの金ETFもありますが、ヘッジには日米の金利差ぶんのコスト(いまは年3%前後)がかかります。金の値動き自体が年に何十%も動くことを考えると、その保険料に見合うかは慎重に判断したほうがよいでしょう。詳しくは為替ヘッジあり・なしの比較をご覧ください。
Q. ETFではなく現物の金を買うのとどう違いますか?
現物は保管の手間と、購入時の上乗せ分(スプレッド)がかかります。ETFは少額から買えて売買も一瞬ですが、手元に金そのものが残るわけではありません。この違いは金ETFと実物の金の比較で詳しく整理しています。
金は「増やす資産」というより「減りにくくする資産」です。だからこそ、器の違いとコスト、そしてNISAが使えるかどうかで、静かに差がついていきます。各銘柄の最新の数値はETFショッピングで確認できます。
※ 本記事は2026年8月時点の一般的な情報です。利回りや値動きは市場環境で変わります。投資判断はご自身の責任でお願いします。
